高齢者の肺炎球菌ワクチンについて

今回は高齢者に対する「肺炎球菌ワクチンについてご紹介致します。

肺炎球菌ワクチンを接種することにより、重症な肺炎などにかかることを予防できます。65歳の方と、60~64歳で一定の基礎疾患がある方は1回接種が出来ます。

なぜ、65歳を過ぎたら肺炎予防が必要なのでしょうか?

肺炎は年齢が上がるごとにかかりやすくなり、重症化のリスクも高まるため、65歳を過ぎたら肺炎予防が必要になります。

実際に65~69歳の方が肺炎で亡くなった割合は、60~64歳の方に比べて約2倍高かったことや、肺炎で亡くなった方の97.8%は65歳以上であったことがわかっています。

肺炎の原因は?

日本人がかかる肺炎の中で主な原因菌である「肺炎球菌」。肺炎は細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染することで起こります。

肺炎の原因となる病原微生物には、肺炎球菌やインフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマなど様々な種類がありますが、そのうち最も多いのが肺炎球菌です。肺炎は、上記のような病原微生物が体内に入り込み、肺に炎症を起こした状態です。高齢になると、体力の衰えや持病によって免疫力が弱まり、病原微生物に感染しやすくなります。

肺炎球菌とは?

肺炎球菌は、肺炎の原因菌としてもっとも多くみられる菌です。

莢膜(きょうまく)という分厚い膜で包まれた形をしているため、からだの免疫からの攻撃が効きづらく、感染すると重症化しやすいという特徴があります。肺炎球菌の感染経路は主に飛沫感染で、咳やくしゃみから感染します。特に小児の鼻や喉に肺炎球菌が多く存在しており、小児から成人へと感染が広がっていくと考えられています。

肺炎の症状は?

発熱や咳、たん、息切れ、胸の痛みなど風邪とよく似た症状が現れます。7~10日以上も咳が続く、高熱が続く、息が苦しい、息を吸うと胸が痛いといった状況であれば、風邪ではなく肺炎の可能性があります。症状が長引く場合は、医療機関を受診しましょう。

肺炎を予防するには?

肺炎球菌による肺炎には「毎日の感染対策」と「ワクチン接種」が有効です。

まずは日頃から、うがい、手洗い、マスクの着用といった基本的な感染対策をしっかり行うことが大切です。肺炎の原因になる細菌やウイルスが体に入りこまないようにしましょう。

また感染対策に加えてワクチン接種も有効です。65歳以上のご高齢の方は「成人用肺炎球菌ワクチン」について医師にご相談ください。

高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種

以下の方は、公費助成によるワクチン接種を受けられる可能性があります。

※公費助成の有無やその内容は、お住いの市区町村によって異なる場合があります。

〈定期接種対象者〉

以下の2つの条件を満たす方が定期接種の対象者です。

◎ 65歳の方

◎ これまでに定期接種の対象となる成人肺炎球菌ワクチンを接種していない方

※60歳~64歳の方で心臓、腎臓、呼吸器の機能に事故の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方も対象になります。

〈定期接種で接種可能な期間〉

65歳の誕生日~66歳の誕生日の前日

以下の情報もご確認いただき、対象者の方はぜひ定期接種についても一度ご検討いただければと思います。

参考:厚生労働省 高齢者の肺炎球菌ワクチン

肺炎予防.jp

ご不明な点等ございましたら、医師または受付までお気軽にご相談ください。

 

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