帯状疱疹ワクチンについて
皆さんは「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」をご存知ですか。
帯状疱疹の初期症状は皮膚の痛みやかゆみが起こり、その後に発疹や水ぶくれ(水疱:すいほう)が帯状に現れます。
症状には個人差がありますが、多くは、はじめに皮膚に神経痛のような痛みが起こります。痛みは皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されたような痛みや焼けるような痛みまで様々です。その後、水ぶくれを伴い赤い発疹が帯状に現れ、徐々に痛みが強くなり、眠れないほど痛むこともあります。強い痛みや皮膚の症状は、主に体の左右のどちらかに見られ、3~4週間ほど続きます。
帯状疱疹の発症に関係しているのは、「水ぼうそう」と同じウイルスで、水痘・帯状疱疹ウイルスといいます。このウイルスに初めて感染したときは、「水ぼうそう」を発症します。水ぼうそうが治っても、このウイルスは神経節に潜伏した状態で体内に残ります。普段は免疫力によって、ウイルスの活動が抑えられているため、帯状疱疹を発症することはありませんが、加齢、疲労、ストレス、紫外線、免疫抑制薬などの使用などで起こる免疫力の低下によって発症することがあります。
【帯状疱疹になるしくみ】
① 「水ぼうそう」発症:初めて感染したときは水ぼうそうとして発症します。
② 潜伏感染:「水ぼうそう」が治った後もウイルスは長い間体内に潜んでおり、普段は免疫力によって活動が抑えられています。
③ 免疫力低下:加齢やストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが暴れ出します。
④ 帯状疱疹:ウイルスは、神経に沿って移動、皮膚に到達し、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹を予防する
帯状疱疹はワクチンで予防できます。
ワクチンには、感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱くしたものや、成分の一部を取り出したもの、また病原性を全くなくしたものがあります。ワクチンを体内に接種すると、そのワクチン成分(細菌やウイルス)に対しての免疫力を高め、病気の発症や重症化を抑えることができます。
帯状疱疹の予防には、主に50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことがある人はすでに、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。
帯状疱疹予防ワクチンは2種類あります
日本では、帯状疱疹の予防接種として「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類のワクチンが使用されています。帯状疱疹の予防接種を受けるときは、接種対象者や、接種する回数・接種にかかる費用などの情報を確認したうえで、ご自身の状況に合うワクチンを選ぶことが大切です。
詳しくは医師にご相談下さい🍀
◆帯状疱疹の予防接種として使用されるワクチン◆
「生ワクチン:乾燥弱毒生水痘ワクチン」
細菌やウイルスの病原性を弱めたものから作られているワクチン
接種対象者:50歳以上の者
(※免疫不全・免疫抑制状態の方や妊娠中の方は生ワクチンの接種を受けられません)
接種方法: 皮下接種
接種回数: 1回
接種費用: 7000円~10,000円程度
「不活化ワクチン:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン」
細菌やウイルスの感染力をなくしたものや、細菌やウイルスを構成する成分の一部から作られているワクチン
接種対象者:50歳以上の者 または 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者
接種方法: 筋肉内接種
接種回数: 2回
(50歳以上の者:通常2ヶ月の間隔を置く
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者:通常1~2ヶ月の間隔を置く)
接種費用: 40,000円~60,000円程度(2回接種の合計)
予防接種費用の助成を受けられる自治体があります。淡路島島内では現在、洲本市と淡路市で助成が受けられます。
詳細につきましては、各自治体のHPをご参照ください🍀
帯状疱疹の予防のために、免疫を低下させないよう日頃から体調管理を心がけましょう。食事や睡眠をしっかりととり、適度な運動や、リラックスした時間を持つことでストレスを減らし、免疫力を低下させないように心がけましょう。
また、帯状疱疹を発症した場合も、抗ウイルス薬で治療を行うとともに、安静と栄養バランスの摂れた食事を心がけることが重要です。また治療中は患部を冷やさないように注意し、強みが強い場合はお風呂でしっかりと温まることで、痛みは緩和されます。
《食事》 《睡眠》
《運動》 《休息》
帯状疱疹のワクチンについて等、ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください🍀
参照:外部サイト 帯状疱疹.jp