マイコプラズマ肺炎について
今年は、『マイコプラズマ肺炎』が大流行しています。8年前の2016年も大流行しましたが2016年以来の水準となっています。
どんな病気なのでしょうか。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)」という細菌によって引き起こされる呼吸器感染症です。患者の多くが子供や若い人です。マイコプラズマはごく一般的な細菌で、成人するまでに多くの人が感染します。自然に回復することが多いのですが、中には重症化することがあり、呼吸困難を起こして長期入院になることもあります。特に14歳以下の子供では注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎の感染のしくみ
マイコプラズマ肺炎は、風邪と同じように、発症した人の咳のしぶきを吸い込んだり、しぶきのついた手で鼻や口を触ったりすることで感染します。感染力は風邪に比べて強くはなく、学校などで広がる可能性は高くありません。ただ、家庭内で感染することは多く、接触することが多い子供と親が共に感染するケースがよく見られます。症状が出ても、風邪だと思って出歩く患者も多いため「歩く肺炎」と言われています。そのため気付かず広がるリスクもあります。
マイコプラズマ肺炎の症状
感染して2~3週間の潜伏期間のあと、発熱・頭痛・全身のだるさなど気管支炎の症状が現れ始め、やがて頑固な咳が出るようになります。咳は熱が下がったあとも長期にわたって(3~4週間)続くのが特徴です。
風邪との違いは、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状が少ないことです。たんのない乾いた咳も特徴です。また耳の痛みを訴えるケースも見られます。マイコプラズマ細菌が耳に入ると中耳炎で耳が痛んだり、胃腸に入るとおう吐や下痢を起こすこともあります。中耳炎は風邪でも起こりますが、中耳炎に加えて長引く咳が続く場合は、マイコプラズマに感染している可能性が疑われます。たんの出ない咳が長引くときはマイコプラズマ肺炎を疑い、早めにかかりつけ医を受診しましょう。またすでに病院で風邪薬などを処方されていて、一向に症状が改善しない場合は、マイコプラズマ肺炎の可能性がないか相談しましょう。
迅速な診断が重要
多くの人は肺炎に至るまでに回復しますが、一部の人は肺炎を起こし、症状が長引いたり重症化したりすることがあります。重症化しなくても、マイコプラズマ肺炎を起こした人は、その後の肺機能が低下すると考えられています。そのため、発症後は早く治療を受けることが大切です。またマイコプラズマ肺炎では他の肺炎で使用される抗菌薬(抗生物質)が効かないため、迅速で的確な診断が重要となります。
マイコプラズマ肺炎の治療
症状が軽く、咳だけであれば、経過観察で様子を見ます。小さな子どもの場合、周囲の大人が注意を払い、「顔色は良いか」「食べられるか」「眠られているか」「機嫌は良いか」「おしっこが出ているか」など、普段の様子との違いを見逃さないように心がけてください。また咳で苦しく食事がとれないことも多いので、食欲が回復してきたら食べられるように食べやすいものを用意してあげることも大切です。また食事が出来ない場合でも、脱水症状が起こらないように、こまめに水分補給を行いましょう。水分とともに塩分や糖分も補えるスポーツ飲料や経口補水液を用意すると良いでしょう。
マイコプラズマ肺炎の予防
保育施設、幼稚園、学校などの閉鎖施設内や家庭内での感染伝播はみられるものの、短期間患者に接触することによる感染拡大の可能性はそれほど高くなく、濃厚接触により感染することが多いと考えられています。マイコプラズマ肺炎の予防は、新型コロナウイルス感染症と同様に手洗いやうがい、マスクの着用が基本です。マイコプラズマ肺炎に感染した場合は、家族間でもタオルの共用は避けましょう。また感染の疑いがある場合は、登園や登校を控えましょう。子供が一人で眠れる年齢であれば、家庭内での感染を避けるために、できれば寝室は別にしましょう。
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マイコプラズマ肺炎は、1年を通じてみられますが、特に秋冬に増加する流行する傾向があります。
これからの季節、しっかりと感染予防をして、マイコプラズマ肺炎に感染しないように気をつけて健康に過ごしましょう🍀